2008
鳥取県庁ホームページで脳脊髄液減少症の病院公開

2006/3/10  長岡 和好 議員が脳脊髄液減少症について質問をされました
http://www.pref.tottori.jp/gikai/chukei/rokuga03-10.htm#rokuga4
内容がすばらしいので是非ごらんください

2005年12月定例会
質疑
○長岡議員
2点目は、これも議長のお許しを得まして、参考資料を各議員及び当局側の方にお配りをさせていただいておりますが、脳脊髄液減少症についてお伺いをします。
 初めてこの言葉を聞かれる方もあるかもしれません。実は私も昨年の暮れに初めて知りました。長い間原因がはっきりしないまま苦しんでこられた島根県の方からの電話で知ったわけであります。交通事故などの後、頭痛、吐き気、目まい、視力低下、しびれ、不眠、記憶力低下が何年も続くのに原因がはっきりしないとされていたむち打ち症について、近年、髄液が漏れ出す脳脊髄液減少症、低髄液圧症候群とも言われるようでありますがー−原因であると診断され、ブラッドパッチという治療法により快方に向かうケースがふえてきております。これまでむち打ち症は神経疾患として扱われたり、時には怠け者のレッテルを張られることもあったり、家族の理解も得られず離婚せざるを得ないといったケースも出てきております。社会一般に認知されていないことや、医師の中でも交通事故などによるむち打ち症と脳脊髄液減少症との因果関係が明確に立証されないという意見も多く、現時点ではブラッドパッチに対して健康保険は適用されず、自動車保険も支払いが拒否されることが多い。
 脳、脊髄は、水に浮かぶ豆腐のように髄液に浮かんでおります。お手元の資料の左側のページの方の図であります。脳と脊髄がその周りにある髄液の中に浮かんでおるわけであります。強い衝撃を受けることにより、髄液が漏れて脳が沈み、この髄液が漏れる場所は首であったり、あるいは腰の方であったりといろいろとあるようでありますけれども、髄液が漏れて脳が沈み、頭痛や吐き気等を引き起こす。国際医療福祉大学附属熱海病院、脳神経外科の條永正道教授がむち打ち症の原因だと提唱をしたところに始まっております。條永正道教授はこれまでに約 1,000人の患者を治療してきておられる方であります。
 お手元の資料の右側の下の方の図でありますけれども、ブラッドパッチ治療法は、本人の血液20ないし40ミリリットルを髄液が漏れている付近に注入して、漏れている場所をふさぐ方法で、平均 2.5回の治療で7割の患者に改善傾向が見られたということであります。現在治療中の患者は全国で 3,500人以上と推定され、自覚していない患者を含めると20万人以上いると言われております。
 私の友人でありますが、県内の脳神経外科の医師にこの件について尋ねたところ、学会でもまだ認知されておらず、意識は低いということでありました。しかし、脳脊髄液減少症は、造影脳MRIの診療でわかる。申し出があれば検査は自分のところでもできますよということでありました。先日、鳥取県内でもこの條永正道教授の話をテレビで見られ、脳脊髄液減少症と交通事故の因果関係をめぐる裁判が行われ、むち打ち症の被害者が勝訴したという報道がされておりました。さらに、一昨日参議院予算委員会でもこの問題が取り上げられており、厚生労働大臣が研究費を予算化するという前向きな答弁をされたところでもあります。
 県内における実態を把握しておられるのかどうか、また国の方へ要請することも必要だと思いますが、知事の所見をあわせてお聞かせください。

○片山知事
むち打ち症の原因と言われる脳脊髄液減少症について、実態を把握しているかということでありますが、今日までのところ必ずしも実態は把握しておりません。その現状というのも変ですけれども、状況をわかる範囲で福祉保健部長の方から御答弁申し上げます。

◯福祉保健部長(石田耕太郎君)脳脊髄液減少症についてお答えをさせていただきます。
 正直なところ、私も承知をいたしておりませんでございまして、県内の医療機関の重立った先生に伺ってみました。むち打ちということが背景にあると思いますので、診療科としては脳神経内科、脳神経外科、あるいは整形外科、こういった診療科が該当するのではないかと思いまして、そういう医師に伺ってみました。総じて言いますと、認識度は非常に低いという現状でございました。医師によっては数件治療した、あるいは診断をしたことがあるというお話もありましたけれども、全体として見ますと診断基準もはっきりしていない、治療方法も普及していないというような状況でございました。全体的に見ますと、脳神経内科医、あるいは脳神経外科医の中では一応知られている、そういう状況ではないかというふうに思っています。ただ、そういう状況でございますので、県内の実態というのは今は把握をしておりません。
 ただ、新聞報道などを見ますと、交通事故の訴訟などでも話題になっているようですし、一昨日ですか、国会の方でも取り上げられたという報道もされておりますので、鳥取県の状況、認知度ですとか、今までの治療実績等について実態調査をしてみたいというふうに思っています。
 国の方でこれから国会などでも議論がされると思いますけれども、こういうきちんとした診断方法なり治療方法ができれば該当者にとっては非常に朗報だと思いますので、ぜひそういう研究は進めていただきたいなというふうに思っております。

○長岡議員
脳脊髄液減少症についてでありますけれども、これは実は県内の状況についてはまだまだ把握はできていないだろうなということは承知の上で質問をしたわけでありますけれども、これは国の方でもブラッドパッチ治療法というのがまだ保険の適用になっていませんし、これは議会としても意見書を出していきたいなという思いがあったものですから、そういった議員の皆さんにも協力を得たいということでこの問題を取り上げさせていただきました。また詳しい資料は後でお配りを、また説明もさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ国に対して意見書を出していきたいというふうに思っていますので御協力をお願いしたいと思います。


2006/3/24
鳥取県議会にて19都府県目となる脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の国に対する治療研究推進 および保険適用の意見書が鳥取県議会で全会一致で採択されました。

脳脊髄液減少症の研究・治療の推進と健康保険の適用を求める意見書

脳脊髄液減少症は、頭部や全身への強い衝撃によって、硬膜に損傷を受け、脳脊髄液が漏れだし、頭痛、めまい、吐き気、思考力低下、全身倦怠といったさまざまな症状を複合的に引き起こす病院であり、その治療には、脳脊髄液の漏れを止めるブラッドパッチ法が有効であると考えられている。
従来、交通事故の後遺症として知られる「むち打ち症」は原因がはっきりせず、精神的なものと診断されることも多かったが、
最近、この脳脊髄液減少症が原因でないかと提唱されている。しかし、脳脊髄液減少症については医療現場での認知度が低く、治療法も普及していない。また ブラッドパッチ法が実施されることにより、多くの患者で症状の改善が報告されるようになってきたが、健康保険の適用がないため、患者やその家族に対する経済的な負担が大きく、その普及の妨げとなっている。
よって、国におかれては、脳脊髄液減少症を取り巻く踏まえ、下記の事項を実施されるよう強く要望する。


1.脳脊髄液減少症についての研究やブラッドパッチ法を含めた治療法の開発を積極的に推進すること。
2.脳脊髄液減少症の治療費について、健康保険を適用すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成 年 月 日
鳥取県議会

内閣総理大臣
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長  様