過去開催された国会での「脳脊髄液減少症」(低髄液圧症候群)問題を取り扱った質問を国会会議録検索システムによって検索してみました。更に政府の見解も記載します。
(尚 議事録記載については国会議事録検索システムHPに記載されている内容にしたがい公開をいたしました。)
(新聞掲載においても新聞社の許可を得ました)
http://kokkai.ndl.go.jp/KENSAKU/www_faq_top.html
(利用一般について)
国会議事録検索システムHPより
Q リンクを設定したいのですが。
A国会会議録検索システムへのリンクは自由に行っていただいて結構です。
リンク先は、 http://kokkai.ndl.go.jp に設定してください。
なお、リンクを設定される場合は、メール・アンケート(自由記入欄)にてお知らせください。
Qデータや画面のプリントアウトやダウンロードをしたいのですが。
A特定の利用目的に限り、著作権者の許諾なしで複製(プリントアウトやダウンロード)や転載ができます。
たとえば、「引用」です。「公正な慣行に合致」し、引用目的が正当な範囲内(「報道、批評、研究その他」)であれば、著作権者の許諾なしで利用できます(著作権法第32条)。
また、引用にあたらない利用であっても、内容が「政治上の演説」等であるか、利用目的が「報道」である場合には、許諾なしで利用できます(著作権法第40条)。
著作権者の許諾が必要か否かについては、法令の逐条解説書などを参照の上、利用者御自身で判断してください。
NO.1 ○遠山清彦君 |
NO2
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NO3 7月2日付 坂口厚生労働大臣が所属する公明党の機関紙(公明新聞)に「メディアにおいて初めての『脳脊髄液減少症』についての坂口大臣のコメント」が記載されました。 |
NO4第161回国会 予算委員会 第3号 平成十六年十月二十一日(木曜日) 午前九時開会 ○風間昶君 ありがとうございます。大臣から力強い姿勢を伺いました。一兆円を超える借金があったとしても、決してその赤字の垂れ流しではないということをやはり明確に国民の皆さん方にも訴えていくことが必要ではないかというふうに思っております。 次に、全国で一年間に交通事故が、その被害に遭っているというか事故の受傷をされる方々が九十万人を突破するような状況の車社会でありますけれども、その中でもむち打ち症候群、むち打ち病と言ったらいいでしょうか、俗名でありますけれども、そういうことで悩んでいらっしゃる方が相当いらっしゃいます。 そこで、こういう言葉が今一部の医療界の中にあります。低髄液圧症候群という言葉があります。厚生労働大臣、この言葉は知っていますか。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど先生からお尋ねがあるということで説明を受けまして、初めて知りました。 ○風間昶君 私も余り知らなかったんですけれども、整形外科勤務時代に、簡単な交通事故でえらい症状が、不定な愁訴が多くて、立てば頭が痛くなる、横になれば良くなるということだけじゃなくて、目がかすむ、生活障害を起こすとか、いろんなことで何人かの方々診ましたけれども。 この低髄液圧症候群という病気、ちょっとしたけが、外傷、ばんとぶつかるだけじゃなくて、くしゃみしたり、いきんだり、あるいはストレッチをするだけでも、頭の中に、骨の中に入っております硬膜という膜に包まれた脳、この脳が髄液という脊髄液の中で浮いているわけですけれども、ぶつかった拍子でそのどこかが漏れる。漏れると、髄液がしみ出ていって浮いていた脳が沈むんですね。沈むとどうなるかというと、そこの脳のところに、包んでいる静脈のところが引っ張られて、それで血管拡張が起こって頭痛が起こるということで非常に、そういうことでいろんな方々が調べて今いらっしゃるわけですけれども、最低二十万人以上の方々が、この髄液が漏れて、低髄液圧症候群ということで、治療を望んでいる方が相当いらっしゃるわけであります。 これは専門的な話で恐縮でありますけれども、いずれにしても、その低髄液圧症候群という治療、安静にしたり、いろんなものを、副腎皮質ステロイドホルモン使ったりということはあるんだけれども、一番今多く効果上げられているのは、この漏れている髄液の代わりに自分の血液を一回十tとか十五t、硬膜外といって、硬膜の外からこう、腰椎の間から入れて、それで髄液の圧を高めるということの治療がこのブラッドパッチという治療なんですけれども、あるわけでありますけれども、どっちにしてもまだ国としてはその治験が足りない、具体的な合理性のあることを、ぶつかってないと思いますけれども、ただ困っていらっしゃる方は間違いなくいて、治っている人もいるということでありますし、事故が非常に多い状況の中で、減少、事故がしないという中で、やっぱり民間が細々と三十七人の脳外科の医師を中心に、全国ばらばらにいるわけですけれども、中心に、そこにみんな患者さんが集まっているわけですね。そういうことがあるわけでありますから、国としてはこれをやっぱり解明していく、支援をしていくべきだと思いますけれども、お考えを、というか決意を。 ○国務大臣(尾辻秀久君) まず、ただいまの先生の御説明でございますが、先ほどこんな図を示されて、私も説明を受けたんですが、正直に言いまして、よくは分かりませんでした。 そこで、こうした場での先生方のお話、そして御提言というものは国民の声を受けてなさるわけでありますから、できるだけ丁寧にお答えしなきゃいかぬと、こういうふうに思っております。 ただ、今先生既にお話しのように、この話は余りにも専門的過ぎて、医学的な話でございまして、御専門の先生に私はとてもお答えするわけに、お答えする力を持っておりません。 もう、そこで、本当に申し訳ないんですが、ただいまのところでの厚生労働省の考え方を申し上げざるを得ませんのでお許しをいただきたいと思います。 申し上げます。 御指摘のむち打ち症と低髄液圧症候群との関係につきましては、交通事故等の後にむち打ち症となるのは低髄液症候群によってなっているケースが多いという主張もあるが、関係学会において認知されている状況にはないと承知をしております。 また、御指摘のブラッドパッチ療法は、低髄液症候群の治療法として一部の医師に用いられていると承知しておりますけれども、いわゆるむち打ち症の治療法としては一般的に認知されておらず、国として研究を推進する上では、まずは関係学会における議論の動向を見定める必要があると考えております。 これが厚生省、厚生労働省の見解でございますので、更に私も勉強させていただきたいと存じます。 ○風間昶君 勉強してください。 |
NO5第164 - 参 - 予算委員会 - 7号 ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。 |
NO6第165 - 衆 - 厚生労働委員会 - 7号 平成18年12月01/19日 脳脊髄液減少症治療に関する請願(河野太郎君紹介)(第五三七号) |
NO7165 - 参 - 厚生労働委員会 - 6号 平成18年12月05日 ○小池晃君 こんな独自な基準は持ち込むべきでないということをきっちり指導していただきたいと思います。調査をしていただきたいと思います、この問題について。 最後に、脳脊髄液減少症に対する有効な治療でブラッドパッチ療法というのがあります。これは、要するに脳脊髄液の漏れを防ぐために血液を注入して凝固させて漏れを防ぐと。これは、脳神経外科学会でも診断、治療基準作りに着手して、来年度をめどに作るということも決められたというふうに聞いていますが、これについて安全性や効果の確認が前提となることはもちろん承知しておりますが、治療法の確立と早期の保険適用と、そのために厚生労働省として積極的な役割を果たしていただきたいと思うんですが、局長、いかがですか。 ○政府参考人(水田邦雄君) まず、いわゆる脳脊髄液減少症の治療についてでございますけれども、これは委員御指摘のとおり、関係学会におきまして既に診療の実態についての調査の実施あるいは診断基準の策定に向けた検討作業に着手されていると伺っているわけであります。私ども、これを見守っているところでございます。 また、新たなその医療技術の保険適用についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、まずは科学的根拠に基づきます有効性の評価のための知見の収集、蓄積が先決でございまして、こうした関係学会の検討の結果、有効性等確立したものとして希望書が提出されれば、医療技術の評価を行う専門的な組織において適切に検討をいただくよう努めてまいりたいと考えております。 |
NO8166 - 衆 - 厚生労働委員会 - 4号 平成19年03月14日 国は早急に脳脊髄液減少症を病気として認め、治療法の確立と患者救済に関する請願(志位和夫君紹介)(第三二七号) |
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NO10168 - 参 - 厚生労働委員会 - 9号 平成19年12月04日 ○足立信也君 個別の検討の結果を見て私も当然自分なりに検討したいと、そのように思っています。 今日少し話題が出ておりました混合診療のことです。地裁の判決もあり、私ども民主党の姿勢というのをまず示さなきゃいけないとは思っておりますが、これは国民皆保険の理念を守るということです。それはもう恐らく厚生労働省も同じだと思います。理念とは何か。必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により担保すると、このことであると思います。 じゃ、今国民の皆さんとその基本理念の中に何がギャップがあるのかと。これは、現在評価療養という形で効果と安全性が確立したものは速やかに保険導入してもらいたいということが一点。それから、ドラッグラグ、デバイスラグと言われておりますように、海外と比較した場合、利用できるまでの時間の問題ですね。主に集約するとこの二点だと思っています。これは私どもはそういう姿勢であります。ここを何らかの法的措置あるいは制度上で早くできる、そのギャップを埋めることができると私たちは思っています。 そこで、まずちょっと具体の例をお伺いしたいんですが、最近よく私のところに依頼が来る中で、脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチ療法、このことが、ちょっと具体的な話なんですけれども。先日、訴訟を起こすという、少年が訴訟を起こすという報道もあったかと思いますが、今まで余りはっきりしなかった、何とも言えない症状を訴えて怠け病じゃないかみたいな形で言われた方もいらっしゃると思う。その中で、この脳脊髄液減少症それからブラッドパッチ療法、このことが今までどういう検討の過程でどういう結論になっていったかということをちょっとお聞かせください。 ○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。 ただいま御指摘のありました脳脊髄液減少症に対するいわゆるブラッドパッチ療法についてでございますけれども、平成十九年七月二日の第二十回先進医療専門家会議におきまして、エックス線透視下での硬膜外自家血注入による髄液漏閉鎖術として検討されたところでございます。 この検討に先立って評価を行った専門家から、この技術に関しましては、第一に、そもそも脳脊髄液減少症の診断方法について様々な議論があり、いまだ確立されていないということ、第二に、その治療法とされているいわゆるブラッドパッチ療法についても一般的なものとして認知すべきかどうかについては議論が分かれるところという理由が示されまして、保険診療との併用を認めること、すなわちこの場合には評価療養とすることにつきましては時期尚早との判断が下されたところでございます。 私どもとしましては、まずはこの有効性等の評価につきまして関係学会での研究の成果を待つ必要があると考えております。 ○足立信也君 資料の四枚目をごらんになりながらちょっと聞いていただきたいんですが、今出ました評価療養ですね、下、改正後のところにA類型、B類型という形でございますね。今のその脳脊髄液減少症については、まず疾患概念も確立していないということで評価療養の対象とはならないと、その二点があったわけですね。ところが、脳神経学会とか今診断のためのガイドライン作成中だと聞いております。 これは疾患概念として確立した場合、評価療養としての検討、再検討ということはあり得るんでしょうか。 ○政府参考人(水田邦雄君) 当然ながら、先ほど申し上げました二つの指摘につきまして新たな知見が出てくれば、それはもう一度検討をお願いするということになろうかと思います。 |
NO11質問本文情報
平成十九年十二月十八日提出
質問第三三八号 脳脊髄液減少症の研究及び治療の推進に関する質問主意書 提出者 赤嶺政賢 脳脊髄液減少症の研究及び治療の推進に関する質問主意書 脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ障害、落下事故等による頭部、全身への強い衝撃で、脊髄液腔から脳脊髄液(髄液)が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄液が減少し、頭痛、頚部痛、眩暈、耳鳴り、視機能障害、倦怠・易疲労感など、さまざまな症状を呈する疾患とされている。 本疾患は、原因が特定されにくいために「怠け病」、「精神的なもの」等と診断されることも多く、患者の肉体的、精神的苦痛はもとより、患者家族等の苦労も計り知れないものがある。本疾患に対する認識は少しずつ広がり、同疾患の研究に取り組んでいる医師らにより、新しい診断法、治療法(ブラッドパッチ治療法など)の有用性が報告されている。 しかしながら、一般的な認知度はまだまだ低く、患者数などの実態も明らかになっていない。また、治療法が未確立であるとともに、医療保険の適用がないために患者らは大きな経済的負担を強いられている。 これまで患者・家族をはじめ脳脊髄液減少症患者支援の会等の団体や四十七都道府県の議会は、国に対して、研究・治療の推進、患者への相談・支援対策を求める要望書及び意見書を提出している。 二〇〇七年四月、厚生労働省は、日本神経外科学会などで構成する研究班を発足させ、本疾患の研究・検討作業に着手した。 従って、国においては、脳脊髄液減少症の研究、治療の対策を強力に推進すべきであるとの観点から以下の事項について質問したい。 一 脳脊髄液減少症患者の訴えについて 1 脳脊髄液減少症に苦しむ潜在的患者は、全国で三〇万人とも言われている。この疾患に苦しみ続けている患者の方の事例を紹介したい。 〇女生徒Aさんの場合(大分県) 二〇〇三年五月、当時、中学二年生のAさんは、学校の体育館で他の生徒の蹴った硬球バレーボールが頭部にあたり、その場に倒れた。 Aさんは、手記の中で、「激しい頭痛と、強烈な吐き気がアタシの体をおそった。目の前の視界が一気に変わり、手が痺れてくる。声にできないほどの痛みは、治ることなく、耳鳴りと共にどんどん激しくなっていった。」、「まるで、首の据わらない赤ちゃんみたいだった。」、「車椅子に揺られながら、アタシの首は右に、左に転がるようだった。目の前の世界が、一定に定まらなくて、酔ってしまいそうだった。首が転がる度、ナイフで突き刺されたような激しい痛みが、アタシの頭をおそう。」、「私の体は全く違う体とすり替えられたように変わっていった。力の入らない日々が続き、食事も出来ずじまいだった。昼夜を問わず、激しい頭痛と吐き気が治まらず、不眠の日が続いた。」、「手に力が入らず、箸を持つこともままならなかった。」、「今まで、何度も神様に祈った。アタシを元の体に戻してください・・」、「アタシの人生は、このボール一つからガラガラと音を立てて崩れていった。」と綴っている。 〇男性Bさんの場合(鹿児島県) 仕事中に、同僚のオペレーターの操作ミスで、クレーンから鋼矢板がはずれて、頭部にあたった。首に痛みはあったが外傷がないので、病院に行かずに働きつづけたが、頭痛、首の痛み、手足のしびれ、目がチカチカし、テレビが砂嵐のように見え、握力がなく、痛みと不安でうつ病になり、休職する。病院の検査の結果、「脳脊髄液減少症の疑いがある」と診断され、一回目のブラッドパッチの治療を受け、しびれや目のチカチカなど一部の症状が七〜八割緩和した。その後、担当医師が移られた病院で検査入院をした。 ブラッドパッチの治療は、全額自己負担で、入院費も合わせて三〇万円程度かかるので、治療費を工面できずに二回目の治療のメドはたっていない。休職中で、労災による休業補償を受けているが、妻のパート収入を合わせて、家族がなんとか生活できている実情なので、治療費を出す余裕はない。 〇男性Cさんの場合(長崎県) 車の追突事故に遭った後に、頭の痛みや腕の痛みに襲われた。病院で、脳脊髄液減少症と診断された。(ブラッドパッチ)治療に保険が適用されないために、治療費や通院費などで二〇〇万円を超えたので銀行からも借りた。お金がかかるので治療ができなくなるのではないかと不安である。 〇女性Dさんの場合(沖縄県) 車の追突事故に遭い、病院では頚椎打撲という診断を受けた。頚椎の牽引など毎日病院に通ったが効果はなかった。事故直後から頭痛などの症状が出て段々ひどくなってきた。それでも一月くらいはまだなんとか病院まで歩けたが、それ以後は歩けなくなり寝たきりの状態になった。その後、県内では、治せる病院がないので、大阪の病院にかかり、脳脊髄液減少症と診断され、ブラッドパッチの治療を、これまで二回受けました。一回目でとれなかったその症状も二回目でとれて、歩けるようになりました。まだ後遺症が残っているので、三回目の治療をしてもらいますが治療中の段階です。治療費、入院費、旅費を合わせると多額な費用がかかります。苦しんでいる方がいるわけですから、これを広めていって、保険もおりて、きちんと治療ができるように県内にもそういう病院を確保できるように、一日も早くしていただきたい。 政府は、こうした脳脊髄液減少症の患者の訴えをどのように受けとめているのか、また、脳脊髄液減少症に対する認識を伺いたい。 2 脳脊髄液減少症患者支援の会「子ども支援チーム」代表の鈴木裕子氏らが編著・監修された「子どもの脳脊髄液減少症」(日本医療企画)の小冊子から、この病気で苦しんでいる子ども達のメッセージの一部を紹介したい。 〇「学校に行きたい! 勉強もしたい! クラスのみんなと一緒にいたいし、学校行事にも参加したい。だから、怠けによる不登校などではありません」「治療後の経過に時間がかかる病気なのです」「『脳脊髄液減少症』は、長時間立っていることや授業を受けるために、座っていることが本当に苦痛となるのです」(十二歳、中学一年女子) 〇「本当のことを話しても、お医者さんも学校の先生にもわかってもらえなかった! この病気のつらさ、苦しさをどう例えたら理解してもらえるのでしょうか?」(十三歳、中学二年女子) 〇「高校一年生の時にケガで、脳脊髄液減少症になった。体調が悪く学校行事はまったく参加することができず、クラブ活動もあきらめざるをえず、とても無念だった。」(十六歳、高校一年男子) 〇「頭痛、吐き気、めまいで教室への階段を上ることができないので、相談室登校が多かった先生にはなかなか理解してもらえず不登校と思われていた。いままでつらく悲しくて死んでしまいたいくらいだった。でも、原因がわかり、病名が付いたときは本当にうれしかった。」(十四歳、中学三年女子) 〇「授業中、座っていることさえ苦痛で授業を受けることができず、どんどん勉強がクラスのみんなより遅れていくことが本当に悲しかった。」(十七歳、高校二年男子) 〇「『ケガから長い時間が経過しているのに、いつまでもだらだらしている』と誤解された。周りに理解されることなく学校を卒業した。」(十三歳、中学二年女子) 政府は、この疾患で苦しんでいる子ども達の悲痛な訴えをどのように受けとめるのか、また、どのように考えているのかを伺いたい。 患者・家族などの話によれば、脳脊髄液減少症の発症例が多数報告されており、子どもの場合には、交通事故の他に、学校生活の中で起きた事故が多く、学校の廊下、体育の授業や部活動の練習中での転倒などがきっかけで発症しているとのことである。 政府は、学校生活の中で起きた事故に起因して発症した脳脊髄液減少症の子ども達の実態について、早急に把握すべきと考えるがどうか。 二 「脳脊髄液減少症に関する研究」について 1 「脳脊髄液減少症に関する研究」の目的は何かを含めて、研究概要を改めて伺いたい。また、同研究の研究課題については、「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」とあるが、具体的に伺いたい。 2 同研究の研究計画について、@脳脊髄液減少症の診断に関する実態調査と文献検索、A診断基準の作成、B治療法の検討、C原因の検討とあるが、具体的に伺いたい。 3 同研究の進捗状況を伺いたい。 4 同研究は、厚生労働省が実施している「こころの健康科学研究事業」の対象とされたが、この事業の目的等を伺いたい。 三 脳脊髄液減少症のブラッドパッチ(硬膜外自家血注入)等の新しい治療法の保険適用について 1 国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科の篠永正道教授は、「むち打ち症後遺症の患者のRI脳槽シンチグラフィーや脳MRI検査を行ったところ、多くの例で髄液漏出・減少所見が見られ、ブラッドパッチ治療を行ったところ、約七割の例で症状の改善が得られた」と述べている。また、同教授は「脳脊髄液減少症研究会が把握した限りでは、これまでに一〇〇近くの病院で三〇〇〇人以上の治療が行われ、おおむねどの病院でも同じような治療成績である。」と述べられている(Medical ASAHI 2007 May)。 同氏の意見について、政府の所見を伺いたい。 2 二〇〇六年十一月、「脳脊髄液減少症研究会ガイドライン作成委員会」(委員長 同病院脳神経外科篠永正道教授他一〇名で構成)は、厚生労働省に「脳脊髄液減少症暫定ガイドライン二〇〇六」を提出し、より、早期に保険診療を実現するための参考資料とする旨要望している。本年四月、同委員会は、三〇〇〇を超える治療症例に基づき、「脳脊髄液減少症ガイドライン二〇〇六」に一部改訂を加えて「脳脊髄液減少症ガイドライン二〇〇七」を作成している。かかる要望並びにガイドラインについて、政府の考えを伺いたい。 3 脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチ治療法の保険適用について、政府の所見を伺いたい。 4 平成十八年三月八日参議院予算委員会で、川崎元厚生労働大臣は「その有効性が確立したものとして学会等から希望書が提出されれば、医療技術の評価を行う専門的な組織において適切に検討を行っていただく」と答弁している。 「脳脊髄液減少症に関する研究」の研究班は、三年を目途として診断法と治療法を確立するための研究を進めるとのことである。研究過程で、ブラッドパッチの治療法が科学的根拠に基づいて有用性及び安全性があると評価された場合、同治療法を医療保険の適用対象とするのか。それとも同研究班が、診療法と治療法を確立した段階において、ブラッドパッチの治療法が科学的にも有用性及び安全性があると評価された場合に保険の適用がなされるのか、併せて具体的に伺いたい。 5 保険適用については、同研究班の研究結果に基づき研究班と連携した関係学会から希望書が提出され、先進医療専門家会議において審査・検討がなされて保険適用を決めることになるのか具体的に説明されたい。 四 脳脊髄液減少症と自賠責保険の関係について 1 脳脊髄液減少症と自賠責保険の関係については、被害者の症状が交通事故と相当因果関係がある限り保険の対象となることとされている。しかし、その相当因果関係が認められることは極めて難しく、因果関係を巡り訴訟問題にもなっている。こうした状況を改善し円滑に進むように、国としてなんらかの努力をすべきではないか。政府の見解を問う。 2 研究班等において、脳脊髄液減少症の診断法、治療法が確立した場合には、被害者の症状と交通事故の相当因果関係が適確に評価されて、自賠責保険金の支払が円滑に行われることになるのか。 五 文部科学省の脳脊髄液減少症への対応について 1 文部科学省は、平成十九年五月三十一日「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」(事務連絡)を各都道府県・指定都市教育委員会等に発出した。 この事務連絡は、学校における生徒等の脳脊髄液減少症に着目して、その対応方について周知徹底されたものと考えるが、改めて認識を伺いたい。また、その後、対応策を講じていれば、その概要を伺いたい。 2 各都道府県において、脳脊髄液減少症についての症状の特症や対応等についての研修を開催するなどして、更に幅広く周知徹底すべきと考えるがどうか。 六 相談窓口設置等の対策について 1 患者・家族や不安を抱えている「潜在的患者」に対する相談窓口を、国の出先機関をはじめ各都道府県・市町村の協力を得て設置するべきだと考えるがどうか。また、設置に際しては、広く周知徹底を図るべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。 2 「脳脊髄液減少症に関する研究」の研究班が、研究課題としている「脳脊髄液減少症の診断に関する実態調査」とは別に、国が、交通事故等の外傷による脳脊髄液減少症患者の実態調査を行うべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。 右質問する。 答弁本文情報平成十九年十二月二十八日受領 答弁第三三八号 内閣衆質一六八第三三八号 平成十九年十二月二十八日 内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 町村信孝 衆議院議長 河野洋平 殿 衆議院議員赤嶺政賢君提出脳脊髄液減少症の研究及び治療の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 衆議院議員赤嶺政賢君提出脳脊髄液減少症の研究及び治療の推進に関する質問に対する答弁書 一の1について 厚生労働省としては、現時点ではいわゆる「脳脊髄液減少症」の診断・治療法はいまだ確立されているとは承知しておらず、御指摘のブラッドパッチ治療法等これに係る医療技術を公的医療保険の適用対象とすることは困難であるが、平成十九年度から厚生労働科学研究費補助金により診断・治療法の確立等に関する研究が進められていることから、こうした研究の成果により、まずは診断・治療法が確立されることを期待している。 一の2について 文部科学省としては、いわゆる「脳脊髄液減少症」については、診断・治療法の確立等に関する研究が進められている段階であるが、事故後の後遺症として通常の学校生活を送ることに支障が生じているにもかかわらず、周囲の十分な理解を得られない事例があったとの指摘を受け、「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」(平成十九年五月三十一日付け文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課事務連絡)を発出し、各学校において、必要に応じ、養護教諭を含む教職員が適切に連携しつつ、個々の児童生徒等の心身の状態に応じ、学習面を含め学校生活の様々な面で適切に配慮するよう求めているところである。 また、いわゆる「脳脊髄液減少症」の診断・治療法はいまだ確立されておらず、現時点では、お尋ねの実態を把握することは困難であると考える。 二の1について お尋ねの「脳脊髄液減少症に関する研究」とは、平成十九年度から厚生労働科学研究費補助金により行われている「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」(以下「確立研究」という。)のことを指すものと思われるが、確立研究は、いわゆる「脳脊髄液減少症」の病態には不明な点が多いことから、嘉山孝正山形大学教授を主任研究者として、複数の医療機関等における共同研究により、その病態解明と診断基準の確立を進め、治療法の確立を目指すものである。 二の2について 確立研究の研究計画においては、研究者が所属する医療機関の症例検討及び医学文献データベースによる文献検索を行うこと、一定の症状のある患者に検査を実施し、結果を解析して診断基準を作成すること、治療方法とその効果及び合併症に関する調査を実施し治療法を検討すること、並びにいわゆる「脳脊髄液減少症」の原因疾患の検討を行うこととされている。 二の3について 確立研究の実施主体は厚生労働省ではなく主任研究者であり、厚生労働省としては、現時点では、主任研究者から確立研究の進捗状況に関する報告を受けていないことから、お答えすることは困難である。 二の4について お尋ねのこころの健康科学研究事業は、厚生労働科学研究費補助金事業の一つであり、最先端の神経科学、分子生物学等の技術を用いた精神・神経疾患の病因及び病態の解明、これらの知見に基づいた治療方法の開発等の推進を目的として、研究者等に対し、その研究に要する経費について補助金を交付する事業である。 三の1について 厚生労働省としては、御指摘の「Medical ASAHI 2007 May」を読んだ限りにおいては、御指摘の意見の根拠となる研究の方法等の詳細が不明であることから、当該意見について所見を述べることは困難である。 三の2について 厚生労働省としては、いわゆる「脳脊髄液減少症」の診断・治療法はいまだ確立されておらず、御指摘のガイドラインはその診断・治療法に関する様々な見解の一つにすぎないものであると認識しているところ、御指摘のガイドラインを公的医療保険の適用に係る議論の参考とすることは困難である。 三の3から5までについて 新たな医療技術については、日本医学会分科会に属する学会等から保険適用についての御提案を受け、中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織の下に設けられた医療技術評価分科会において検討を行った後に、又は、先進医療として承認され、先進医療専門家会議において検討を行った後に、同協議会において当該医療技術の安全性、有効性等について、科学的な根拠に基づく評価を行い、その保険適用の可否について検討を行うこととなる。 いわゆる「脳脊髄液減少症」に係る医療技術についても、確立研究との関係のいかんにかかわらず、このような手続により、適切に評価及び検討を行うものである。 四について 自動車損害賠償責任保険においては、いわゆる「脳脊髄液減少症」としての診断を受けているか否かにかかわらず、身体に残存する神経症状について、交通事故と相当因果関係が認められる場合は、保険金の支払が行われているところである。今後、いわゆる「脳脊髄液減少症」に関して、専門家の間で研究が進み、医学的見地から共通認識が醸成されるとともに、病態・原因疾患の解明や診断・治療法の確立がなされることは、これによって、交通事故と被害者の症状との相当因果関係が的確に評価されることとなるなど自動車損害賠償責任保険の保険金の円滑な支払に資する観点から望ましいと考えており、今後の研究の進展に期待してまいりたい。 五について 文部科学省としては、一の2についてで述べたとおり、御指摘の事務連絡を発出し、また、同事務連絡の発出後も、都道府県及び政令指定都市の教育委員会の学校安全担当者が参加する会議等において、各学校に対しその趣旨の周知を図るよう要請しているところであり、引き続き、会議等の場を通じて、その周知を図ってまいりたい。 六の1について 厚生労働省としては、保健所等において、これまでも一般的な健康相談に応じるとともに、その実施について周知を図ってきたものと承知しているが、今後、いわゆる「脳脊髄液減少症」の診断・治療法が確立するなど知見の集積が進めば、当該健康相談の一環として患者からの相談に応じることが可能となると考えている。 六の2について 厚生労働省としては、いわゆる「脳脊髄液減少症」の診断・治療法はいまだ確立されておらず、診断・治療法の確立等に関する研究が進められているところであると認識しており、現時点においては、お尋ねの実態調査を行うことは困難である。 |
NO12質問本文情報 平成十九年十二月十日提出 質問第三一一号 脳脊髄液減少症に関する質問主意書 提出者 山井和則 脳脊髄液減少症に関する質問主意書 一 厚生労働省は脳脊髄液減少症の診断・治療に関する研究を平成十九年四月から行っているが、その研究のための会議をこれまで何回開催したのか。また、その日時、場所、メンバー、議題をお示しいただきたい。 二 一の研究メンバーの選任基準は何か。 三 一の研究について来年度の予算はいくら交付されるのか。 四 脳脊髄液減少症の診断・治療を行える病院は全国で何箇所あるのか。そのうち、漏れ出す個所を患者自身の血液を用いてふさぐブラッドパッチ治療を行うところは何箇所か。脳脊髄液減少症の診断・治療を行えるドクターは全国に何人いるのか。 五 交通事故により脳脊髄液減少症になるものが多いが、自賠責保険による治療費の上限はなぜ一二〇万円なのか。 六 今年五月三十一日に文部科学省より「学校におけるスポーツ外傷などの後遺症への適切な対応につい て」の事務連絡が出されたが、実際に学校・現場へ周知徹底されているのか。 一 右質問する。 衆議院議員山井和則君提出脳脊髄液減少症に関する質問に対する答弁書 平成十九年十二月十八日受領 答弁第三一一号 内閣衆質一六八第三一一号 平成十九年十二月十八日 内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平 殿 衆議院議員山井和則君提出脳脊髄液減少症に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 一について お尋ねの研究とは、平成十九年度から嘉山孝正山形大学教授を主任研究者として、厚生労働科学研究費補助金により行われている「脳脊髄液減少症の診断・治 療の確立に関する研究」(以下「確立研究」という。)を指すものと考えられるが、確立研究の実施主体は厚生労働省ではなく主任研究者であり、厚生労働省と してはお尋ねの点については承知していない。 二について 確立研究の実施主体は、厚生労働省ではなく主任研究者であり、確立研究に参加している分担研究者についても、厚生労働省が選任したものではなく、お尋ねについてお答えすることは困難である。 三について 確立研究については、平成十九年度を三年計画の一年目として実施されているところであるが、平成二十年度に交付される研究費補助金の額は、現時点では未定である。 四について 厚生労働省としては、いわゆる「脳脊髄液減少症」の診断・治療法はいまだ確立されているとは承知しておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。 五について 自動車損害賠償責任保険においては、治療関係費、休業損害、慰謝料等の傷害による損害に係る保険金の支払限度額について、実際の損害賠償の水準及び保険金支払の状況等を勘案し、百二十万円としているものである。 六について 文部科学省としては、「学校におけるスポーツ外傷などの後遺症への適切な対応について」(平成十九年五月三十一日付け文部科学省スポーツ・青少年局学校 健康教育課事務連絡)については、都道府県及び政令指定都市の教育委員会の学校安全担当者が参加する会議等において、各学校に対しその趣旨の周知を図るよ う要請しているところであり、教育委員会等から各学校に対し、その周知が図られてきているものと認識しているが、今後とも、同事務連絡の趣旨について、各 学校に周知されるよう努めてまいりたい。 |
NO13 169 - 衆 - 予算委員会第五分科会 - 2号 平成20年02月28日 ○とかしき分科員 ありがとうございました。 最後に、ちょっと質問時間がなくなってしまいましたので、要望を申し上げます。 脳脊髄液減少症、この問題についてお伺いしたいんですけれども、平成十九年の四月から三カ年の研究期間ということで、こころの健康科学研究事業ということで二千五百万円補助金を交付していただきました。ぜひこれは、腰痛とか目まい、足のしびれ等で、精神的なものということでよく誤解されてしまって医療機関で対応されてしまうんですけれども、この病は非常に厳しい病でございますので、この医療体制、そして今後、研究費をせっかく交付していただきましたので、効果が出るように、そして、将来は保険適用の検討も眼中に入れて研究に取り組んでいただきたく、よろしくお願い申し上げます。 以上です。どうもありがとうございました。 |
NO14 平成二十年三月十七日提出 質問第一八九号 脳脊髄液減少症に関する質問主意書 提出者 山井和則 脳脊髄液減少症に関する質問主意書 全国の脳脊髄液減少症の患者より「脳脊髄液減少症の研究事業及び治療推進に関する要望書」が厚生労働省に提出され、二〇〇八年二月二七日には舛添厚生労働大臣から「公務中に二度衝突事故にあっていて皆様の気持ちはわかります。この脳脊髄液減少症のこともよくわかっています。具体的に何ができるか事務方と検討を進め頑張ってやります」との回答があったと患者団体は報告している。 一 舛添厚生労働大臣が「具体的に何ができるか事務方と検討を進め頑張ってやります」と回答されたが、具体的な進捗状況はどのようになっているのかお教えいただきたい。 二 前回の質問主意書にて平成一九年度から行われている「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」の進捗状況をお尋ねしたところ、「この確立研究の実施主体は厚生労働省ではなく主任研究者であり、お尋ねの点については承知していない」旨の回答(内閣衆質一六八第三一一号)があった。 しかし、この確立研究は厚生労働省科学研究費補助金によって行われており、当然厚生労働省においてはその監督責任がある。早急に同研究の主任研究者から研究会に関する進捗状況の確認をした上で、次の点を説明されたい。 @ 開催回数 A 日時、場所、メンバー B 議題 三 二〇〇七年五月三一日に文部科学省より「学校におけるスポーツ外傷などの後遺症への適切な対応について」の事務連絡が出されてから約一年となるが、実際、学校・現場に周知されているかを患者が問い合わせたところ、都道府県によって徹底されているところと、そうでないところとでばらつきが見られる。 岐阜県下においてはこの連絡を見た保護者が子どもを病院に連れて行き、診察・治療を受けた結果、症状が回復したとの事例もある。また、早期発見・治療がこの病気には重要との専門医の見解もある。 全国の学校・現場にどの程度周知されているのか明らかにされたい。把握していないならば早急に調査を行うべきであると考えるがいかがか。 右質問する。 平成二十年三月二十五日受領 答弁第一八九号 内閣衆質一六九第一八九号 平成二十年三月二十五日 内閣総理大臣 福田康夫 衆議院議長 河野洋平 殿 衆議院議員山井和則君提出脳脊髄液減少症に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 衆議院議員山井和則君提出脳脊髄液減少症に関する質問に対する答弁書 一について 厚生労働省としては、いわゆる「脳脊髄液減少症」について、その診断・治療法はいまだ確立されているとは承知しておらず、平成十九年度から厚生労働科学研究費補助金により「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」(以下「確立研究」という。)の推進を図っているところである。 二について 厚生労働省において確立研究の主任研究者に確認したところ、平成十九年六月一日午前、七月六日午前、八月一日午後、十月八日午後の四回、東京都内において確立研究の主任研究者、分担研究者及び研究協力者をメンバーとする会議が開催され、確立研究の進め方等について討議が行われたのをはじめ、主任研究者、分担研究者等が常時連絡を取り合うなどして確立研究を進めているとの回答を得ている。 三について 文部科学省では、「学校におけるスポーツ外傷などの後遺症への適切な対応について」(平成十九年五月三十一日付け文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課事務連絡)について、都道府県及び政令指定都市の教育委員会の学校安全担当者が参加する会議等において、各学校に対しその周知を図るよう要請しているところである。また、文部科学省において、昨年末に都道府県教育委員会に対して、小中学校等の設置者である域内の市区町村教育委員会への同事務連絡の周知の状況を調査したところ、すべての都道府県教育委員会が文書等により周知を行ったとのことである。 文部科学省としては、教育委員会等から各学校に対し、同事務連絡の周知が図られてきているものと認識しているが、今後とも、同事務連絡の趣旨について教職員の共通理解が深まるよう努めてまいりたい。 |
NO15 衆 - 予算委員会第四分科会 - 2号 平成22年02月26日 ●池坊分科員 大臣、脳脊髄液減少症という病気を御存じですか。多分御存じないと思って、資料をきのう送らせていただきました ○川端国務大臣 まさに浅学非才で、承知をしておりませんでした。先生から御質問の予定をいただいて、一夜漬けで関係資料だけさらっと読ませていただきました。こういうことがあるんだということを初めて知りました。 ○池坊分科員 実は私も存じませんでしたが、三年前に、この病気にかかっていらっしゃる多くの、一万二千名の署名をいただきまして、学校現場でもこれを周知徹底してほしいと言われまして、教育委員会等で周知徹底するようにと、ちょうどそのとき私は副大臣でございましたので、いたしました。 これは、交通事故を初め、転倒やスポーツ外傷、体に衝撃を受けたことなどが原因で、脊髄硬膜から脳脊髄液が漏れて脳脊髄液が減少してしまう病気です。これが減少すると、大脳や小脳がそれに伴って下がってしまって、神経とか血管が引っ張られて、神経系の症状、激しい頭痛、首の痛み、目まい、倦怠、視機能障害、吐き気、耳鳴りなどを起こします。 今、体がだるいと言っている不登校児も、医学部の先生によっては、これも原因なのではないかというふうなことも言われております。なぜかといいますと、野球をしていてボールが当たったとか、あるいはテニスのラケットが当たってこういう症状になった。ところが、あなたは怠慢だと言われて、なお落ち込んでしまうということがあるんですね。 私は、ぜひこれを周知徹底して、これは経費がかかるわけではございませんので、事務連絡というのを三年前に出しましたが、現在どのような調査、対応などをしていらっしゃるかをちょっと伺えたらと思います。 ○川端国務大臣 まだはっきりした病名というか、例えば健康保険の病気の対象でもないというし、極めて症例も少なくて、研究が進んでいないというのが実情であるというふうに伺いました。 そういう意味で、こういう診断法でこういう結果が出たらこの病気、この症状は脳脊髄液減少症であるというその診断方法自体がまだ確立していない。ですから、倦怠感や頭痛や目まいというものがほかの原因でもいっぱいありますから、そういうことで、学校にそういう生徒はいますかということの聞きようが実はなくて、体がだるい、頭が痛いと言っている子はいるかといったらたくさんいると思うんですけれども、そういうことで、正直に申し上げて、このことに対しての実態調査というのは行えていません。 ただ、先生が十八年以降熱心に取り組んでいただいて、やってきていただいた中で、都道府県の教育委員会には、こういうものがあるからそういう目でちょっとみんな見てくださいねという、先生の時代だと思いますが、書状を発出したと同時に、ホームページにも載ってあるんですが、確認しましたら、そういうようなのを出しましたという、書類を発出したという記録がホームページにあるだけであって、広報的に、学校関係者の皆さん、あるいは父兄、生徒の皆さん、こんなことがありますよ、だから、体がだるいとかいうことであればひょっとしてあなたもそうかもしれないという啓蒙という姿勢でやっているということではなかったので、きのう、こういうことを言っていただいたので、これは広報をしているのではなくて記録がホームページに載っているというだけなので、そういうことでなくて、知らしめるという観点でホームページを変えようというふうに早速指示をさせていただきました。 ○池坊分科員 署名は一万二千じゃなくて一万九千の誤りでした。 そういう子供たち、保護者が、第一歩だと思って大変喜ぶと思います。ありがとうございます。 これは、現段階での治療としては、本人から無菌的にとりました静脈血を注射器にとり、またもとに戻す、こういうブラッドパッチ治療法というのによって治っていく子供たちもございます。 ですから、まずは先生方に周知徹底して、それによって治る子供もいるということで、千葉県はこれは実態調査をいたしております。実態調査をしているということで、千葉県のそういう問題、病気を抱えたお子様方、それから保護者の方々は大変に力強く思い、この実態調査は三月三十一日には出るようでございますので、ぜひこれをモデルケースとしてまた広げていただけたらと思います。 それから、今おっしゃいましたように、これは保険適用がございません。一回につき三十万、四十万かかる今申し上げましたブラッドパッチ療法をしなければなりません。 文部科学省所管の独立行政法人日本スポーツ振興センターが行っております災害共済給付制度がございますね。ぜひこれにも入れていただき、四割とかの負担ができるように、ちょっと御努力をいただけたらと思います。いかがですか、大臣。 ○川端国務大臣 御指摘のように、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度というのは、「医療等の状況」の「傷病名」の欄にいわゆる脳脊髄液減少症と書いてあるもので申請されたのは、今までに三十件あります。こういうふうに出てきた場合には、初診料と再検料と画像診断料などは対象となりますが、御指摘のいわゆるブラッドパッチ治療法のような治療法は今対象になっていません。 これは、このスポーツ振興センターの災害共済給付制度が対象とする部分の治療に際しては厚生労働省のいわゆる健康保険適用のものにするということでありますから、それ以外のものということになっていない。そうすると、個別にこのものだけにすると、あのものも、そのものもということになりますので、一応基準としてそうなっています。 ですから、一番根本では、いわゆる健康保険の治療の対象にしていただくというのが一番の前提でありますので、これは厚生労働省に対しては、そういうきょうの御質疑も踏まえて、こういう要望があるから、問い合わせと同時に検討もまたお願いをしてみたいというふうに思っております。 それから、言われたように、私も難病関係の部分はいろいろなことで勉強してきたこともあるんですが、やはりこういう病気があるということを知っているか知っていないかで、診断がもう全然そこへたどり着かないというケースが一番根っこにありますから、そういう部分では、先ほど申し上げました、周知して、皆さんに、特にスポーツとか転んだりしたときのけがで起こるということの部分では、これは本当に大事なことだと思っております。 ○池坊分科員 大臣には大変友愛の精神に満ちた御答弁をいただき、みんなも喜ぶことだと思います。知るということがまず、先生方が知っていただきませんと、この理解を得るということが私はやはり最大の第一歩ではないかと思っております。 私は、教育行政こそが総理がおっしゃっている友愛の精神が隅々まで行き渡るようなそういう行政であってほしいな、そういうものを見ながら子供も育っていくのだと思いますので、ぜひこれからもその友愛の精神に基づいて、国民の視点に立って、そして子供の視点に立って、こういう仕組みなんだよということでなくて、この際、改革すべきことは抜本的に変えていただきたいと強く願い、私のきょうの質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 |