椎間板は脊椎の骨の間にある弾力のある組織で、関節と ショックアブソ-バ-の働きをしています。 人体のなかでもっとも早く老化現象が起きる組織です。 この椎間板ヘルニアは、しばしば交通事故やスポ-ツによる 鞭打ち症のあとに発症します。 またこれといった原因なしに発症します。 ひとが直立歩行するようになった宿命ともいえます。 変性した椎間板が後方に脱出し脊髄や神経根(腰椎では 馬尾神経)を圧迫して様々な痛みやしびれ、脱力などを きたす病気です。
首、肩、腰、手足の痛みやしびれのほかにあまり知られては いませんがのぼせ、吐き気、めまい、立ちくらみ、手足の冷感、 便秘、頻尿、胸痛、顔のこわばり感など様々な症状が出現します。
椎間板ヘルニアの患者さんは、整形外科を受診し治療を 受けるのが一般的です。 中枢神経・末梢神経の病気でもあり脳神経外科でも診ております。 欧米では椎間板ヘルニアは神経外科(我が国の脳神経外科に 相当)が治療することが多いようです。 当病院脳神経外科は開設以来一貫して脊髄・脊椎疾患の 診断と治療に取り組んでまいりました。 他の病院にくらべ遜色ないかむしろ優れた治療成績をあげて いると確信しております。 椎間板ヘルニアでお悩みの方は一度、脳神経外科の診察を お受けになることをおすすめいたします。 椎間板ヘルニアは脊椎のどの部分にも生じますが胸椎は きわめてまれです。 神経学的検査とMRI検査を行えば診断がつきます。 手術が必要な場合は脊髄くも膜下腔に造影剤を注入する ミエログラフィー、CTミエログラフィーを行います。
●頚椎椎間板ヘルニア脊髄症状
上肢・下肢のしびれ、脱力、運動麻痺(下肢のしびれが初発症状であることがしばしば)、歩行障害、ふらつき、 頑固な便秘、頻尿。神経学的検査で腱反射亢進、病的反射陽性。
●神経根症状
背中の痛み、頚部痛、上腕痛、後頭部痛、胸痛(しばしば狭心症と間違われる)、手指のしびれ、脱力(しばしば物を落とす)、手の器用さがなくなる(字を書くのが下手になる、箸をうまく扱えない、ボタンかけがうまくできないなど)、首を後ろに曲げると痛みやしびれがひどくなる
(スパ-リング徴候)
保存的治療
外科的治療
先日先生を紹介したある方からお礼のメールをいただきました。
「某有名国立大学病院(脊椎部治療の分野)にて手術困難と診断されたのですが篠永医師の手術(フォラミノトミー)で簡単に行うことができました」と!!
脊髄症状を伴う:前方減圧固定術(前頚部を切開し椎間板を切除し骨移植を行う。時にチタンプレ-トで固定する) 入院期間は概ね2週、運動麻痺がありリハビリが必要な時は入院1ヶ月。事務仕事なら4週後に復職可能 約束通り先生の治療若しくは治療を受けられた方の生の体験をまとめた本が出ました。 神経根減圧術(フォラミノトミ-)を受けられた方の体験3題、後縦靭帯骨化症1題、胸郭出口症候群2題、前方固定術(ヘルニア手術1題)脊椎管狭窄症1題が記載されています。
タイトル『「むち打ち症」はこれで治る!』 ――臨床結果でわかった「低髄液圧症候群」との驚くべき関係―― 発行所 (株)日本医療企画 税込み1500円 四六判/並製(本文1C・表紙4C)/本文約224頁 編著 中井 宏 監修 篠永正道 2002年6月12日~15日には全国大手書籍販売店で販売開始 2002年7月21日外国からの翻訳の話もでています。 在庫切れ |
腰椎レベルには脊髄はなく末梢神経(馬尾神経) のみなので頚椎での神経根症状のみが出現する。
症状:
腰痛(ほとんど必発)、下肢のしびれ、脱力、冷感、痛み、歩行障害 、膀胱直腸障害(便秘、頻尿、尿閉、インポテンツ)
治療:
頚椎と異なり脊髄の圧迫症状が出ないので、ほとんどは保存的治療でよくなる
保存的治療:
安静(痛みのひどいときは数日間はベットで寝ている)、神経ブロック、コルセット、薬物治療、症状軽快したら腰痛体操
手術をしたほうがよい場合:
保存的治療を行っても全く症状が改善されない場合/しばしば症状が再発する場合/早期の社会復帰を望む場合/症状持続しMRIで脱出しているヘルニアが大きい場合/膀胱直腸障害が出現している場合
手術法
1.顕微鏡下ヘルニア切除術:
腰背部に3~4cmの切開を加え顕微鏡を用いて脱出したヘルニアを切除する。
手術時間は概ね1時間程度。顕微鏡を使うことで出血は極めて少なく、創も小さく、合併症や後遺症が少ない。 入院期間は4~5日、翌日から歩行可能、多くは2週で仕事に復帰できます。
2.経皮的髄核摘出術:
X線透視下で背中に鉛筆位の太さの管を刺し内視鏡を用いて椎間板の髄核をできるだけ摘出する。 若年者に向いている(手術の合併症後遺症が少ない)
[ヘルニアの程度が軽い場合のみ]
Neurosurgical department, Hospital
Intervertebral disc plays as joint and shock absorber.
This soft elastic tissue is easily affected by aging. Disc herniation is caused by degeneration of disc material. Whiplash injury by traffic accident and sports bring about disc degeneration. Extruded degenerated disc compressed the spinal cord and nerve roots. Symptom of disc herniation is various including pain, numbness, muscle weakness, nausea, dizziness, constipation, chest pain etc. The most of the patient with disc herniation visit to orthopedic department in Japan. This is also a neurosurgical disease and we (neurosurgical department, Hospital) are dealing with spinal and peripheral nerve diseases all the way through. Disc herniation develops any part of the vertebra but very rare in the thoracic level. Diagnosis is relatively easy by neurological examination and MRI. Myelography and CT myeography is needed in operative case.
Cervical disc herniation
Myelopathy: Symptoms are numbness, motor weakness of extremities (first symptom is numbness of leg in most cases), gait disturbance, dizziness and constipation. Increased knee jerk and positive pathological reflex are noted. Radiculopathy: Symptoms are back pain, neck pain, arm pain, headache, chest pain (mimic angina pectoris), numbness of fingers, motor weakens of fingers and clumsiness. Positive Spurling sigh, decreased deep tendon reflex are noted.
Lumbar disc herniation
The spinal cord is not exist in lumbar level and only radiculapathy is developed. Symptom: lumbago, numbness and weakness of leg, sciatic pain, gait disturbance, constipation, urgent urination, disurination, impotence. treatment: In most cases symptom is improved by conservative treatment.