2021年5月1日 日本脳脊髄液漏出症学会が設立されました。
医師の方(正会員) 脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)を研究されている有資格者の会員(準会員)是非入会ご検討ください。
一般的に脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)は,何らかの外傷後に発生した病態として認知されています。よってその診断は国際的には「国際頭痛分類3版」(下記図2) 7-2-2脳脊髄液瘻(ろう)性頭痛に準拠し、我が国では、現在2020.8.1現在 「脳脊髄液漏出症診療指針」に準拠する事が重要となります。
注)脳脊髄液漏出症診療指針による所のMRI脊髄脊椎T1(造影剤)T2脂肪抑制の双方を撮影し人工的な水信号を除外し硬膜外に映し出される水微細漏れを特定すれば診療報酬対応となります、このMRIの画像の信憑性を鑑み、のちに撮影するCTmiero検査の漏出部位はMRI検査のそれとほぼ一致する事が多いといわれているますが、その読影は経験値が必要と言われています。
現在、当会は一般向けでない(解りずらい)と言われている「脳脊髄液漏出症診療指針」についての解説本を専門医とともに執筆中です。
初めて本疾患を診察治療される方は、まず「生理食塩水硬膜外注入法」の実施をお勧めします。
※2004年度に発刊にされたICHD-2が未だに誤解の元となっています。
脳神経外科医、神経内科医であれば、年に何度か特発性低髄液圧症候群の患者や患者疑いを診察する事になります。
※特発性(自発性)低髄液圧症候群 原因が不明により発症した患者群
それらの患者群は国際頭痛分類第2版では「7・2・3」特発性低髄液圧性頭痛に分類さました。
この「■以前に使用された用語」に髄液量減少性頭痛が記載されている。現在もなお脳脊髄液減少症や漏出症を
「7・2・3」特発性低髄液圧性頭痛に準拠する医師が多くいます。
社会的には「脳脊髄液減少症(漏出症)は外傷によって発症した」という認識で捉えられています。
この言葉こそ誤解の元となりました。2018年に大幅に改定発刊された「国際頭痛分類第3版」(下記図2)では「■以前に使用された用語」下に「解説」が加えられ「7・2・3」は特発性の原因による低髄圧で引き起こされた起立性頭痛と記載されている。 つまり「7・2・3」は言葉通り原因が不明であるが、髄液圧が低下もしくは減少した患者群が基準となる事を示しております。 外傷(交通事故など)を経た後に訴える起立性頭痛の類の(随伴症状含め)不定愁訴などを訴える患者群のカテゴリーは「7・2・2 脳脊髄液瘻(ろう)性頭痛」となります。
2019年12月発刊の脳脊髄液漏出症診療指針については国際頭痛分類第3版をさらにレベルアップし画像診断だけで脳脊髄液漏出症と診断されます。また実際、画像だけで診断され治療後、経過良好が続いているのです。
図1
図2
サブページ「厚生労働省」のページにまとめましたのでご覧ください
上記「脳神経外科 周術期管理のすべて「脳脊髄液漏出症」より抜粋」 近年、脳脊髄液(CSF)の産生~循環~吸収に関する概念に変更が加えられている、主なものは①CSFと脳間質液ISFの脳室壁、血管周囲壁での比較的自由な交流(脈絡叢以外での髄液産生、くも膜顆粒以外での髄液吸収機構の存在②リンパ系を介する髄液吸収経路の存在③脳室系~くも膜下腔の髄液の一方向性の流れの否定+心拍動により周期的に頭側と尾側に方向を変える拍動流の重視などである。髄液生産については65~75%が脳室内脈絡叢由来、残りの25-30%程度がISF由来、吸収は頭蓋内静脈洞くも膜顆粒、脳内~軟髄膜血管周囲腔、脊髄血管がそれぞれ1/3を担うと推定されている。それぞれの部位での産出、吸収の割合については、今後修正の余地があるかもしれない。しかし髄液産出予備能を越える髄液漏出が、髄液量減少、髄液圧低下を引き起こすことに変わりはないだろう。以下続く(詳細は読本をお勧めします) 著 福山医療センター 脳外科 守山英二先生の文章 本疾患は我が国においては交通外傷を起因とする脳脊髄液漏出症が社会問題化し2007年厚労省脳脊髄液減少症研究班(山形大学参与 嘉山孝正先生)が設置された、2019年度内に脳脊髄液漏出症診断指針(仮)が出版予定であり、これをもって12年間続いた研究は本年3月終了しました、しかしこの脳脊髄液漏出症診断指針だけでは脳脊髄液(CSF)の産生~循環~吸収などにおいて①~③に示したように新な事実が判明してきているだけに全脳脊髄液減少症患者の救済は無理と言わざるを得ません。本来は2017~2019年の3年間の研究で周辺病態の画像診断基準作りを目指しておりましたが、繰り返しになりますが新たな発見(脳脊髄液(CSF)の産生~循環~吸収などにおいて①~③)などが相次いだ事で、「一旦状況(医学的な進歩状況など等)を見極めて」将来、再度研究再開も視野にいれて研究を終了したとお聞きしております。 一方埼玉医科大学病院では2017~2019年の3年間で自律神経と髄液生産の関係について研究が行われ この4月からは下記研究が開始されました。 ■「児童・思春期例における脳脊髄液漏出症の病態と低髄液圧を示す周辺病態の解明及び客観的診断法に関する研究」開始 AMED公式HPに移動
起立性調節障害と脳脊髄液との関与などを研究していく予定と伺っております。 尚 研究メンバーには 3名の小児科医を含め、篠永正道教授、中川紀充医師、高橋浩一医師など小児を専門としてきたメンバーも入班されておりますので現場での経験を元に、特に「漏出から外れた機序」(元々発症原因は漏出であり、現在漏出は止まっている患者含め)等の患者救済の診断方法を開発していただきたい。 特に小児の場合、我々が体験、もしくはかかわってきている患者群は嘉山班が示してきている脳脊髄液漏出症指針だけでは診断できないケースが多いからであります。 更に2019年3月に行われた日本脳脊髄液減少症研究会で報告があった。 黒岩義之(横浜市立大名誉教授)「脳室周囲官制御破綻症候群(視床下部症候群)提唱」 不定愁訴の科学的メカニズムの講演を聞かせていただき、いよいよ髄液と不定愁訴群との関わりついても今後研究が必要であると強く感じました。更に今回18回研究会の会長であった篠永教授も脳脊髄液減少症の本質を巡ってと題し、あいさつ文を書かれている。 下記一部引用 「不定愁訴には共通項がある、大部分の症状は自律神経症状で内分泌症状や免疫異常が続く、症状を生み出す部位は大脳辺緑系は疲労感、気力、痛みのコントロールに重要な役割を有し、視床下部は自律神経・内分泌の中枢である。第三脳室近傍は睡眠、記憶にも関与している。 脳脊髄液減少症(CSF)は脳脊髄液が減少することにより多彩な症状を呈する疾患である、しかし、このことは内科、神経内科、脳神経外科のどの教科書にも記載がない、よってこういう病気は存在しない幻の疾患なのか、交通事故で多彩な症状を訴える患者は実際には存在しないのか?CSFの本質は何か? 脳脊髄液が減少することにより視神経機能が低下し様々な眼症状を呈することや外リンパつまり髄液が減少して代謝的に内リンパが増えメニエール症状を来すことがわかってきた、髄液減少が脳沈下により起立性頭痛が起こる症状は一部の症状に過ぎず本質に関わる症状ではない、未だ理論的に説明できる段階ではないが 係わってくる病態として髄液減少による代謝的血液量増加に起因する脳血流循環障害、神経伝達物質・ 代謝産物運搬力低下、特に第三脳室近傍での神経伝達物質機能能力低下、脳の免疫機構の変調などであると考えている。髄液減少が視床や辺緑系を介した痛覚抑制系の機能低下させていることも考えられる。」とあります。
今後、不定愁訴と髄液の循環・減少などが関わっていることが事実なら、「日本脳脊髄液減少症研究会」の使命は誠に大きいと思います。不定愁訴を抱える国民の数はどれだけ多い事でしょう。 毎年、兵庫県主催、脳脊髄液減少症子ども支援チーム 主催 文部科学省後援の明舞中央病院副院長 で脳神経外科医であられる、中川紀充医師が中心となってセミナーが開催されております。今年の開催で11回を迎えました。2019.5開催三ノ宮 毎年:多くの参加者があり、病気の体験が語られますが、ほとんどの方はドクターショッピング、大学病院通いを経験し、不定愁訴を訴え、様々な病名を付けられ治りません。その方々が中川先生の この「CSF-JAPAN」では、現在最も症例数の多い3名の医師のアドバイスが受けられます 例)下記 文責 中井宏 2019.6.10
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論文
Neurologia medico-chirurgica vol.49, No7 ,JULY 2009
Spinal Cerebrospinal Fluid Leakage After Motor Vehicle Accident -Two case Report-
Eiji Moriyama Hiroaki Terada and Shinichi Ishikawa Department of Neurosurgery Natinal Hospital Organazation Fukuyama Medeical Center
脳脊髄液減少症データー集Vol.2
研究会全抄録と最新発表報告
監修 篠永正道・美馬達夫 編著 脳脊髄液減少症研究会
50名の医師の専門的なデーター集
低髄液圧性頭痛の診断と治療
篠永正道 日医雑誌 第136巻 第11号平成20年2月
Epidural Blood Patch Therapy for chronic Whiplash associated disorder
Shinichi Ishikawa MD
Masataka Yokoyama MD
Satoshi Mizobuchi MD
Hidenori Hashimoto MD
Eiji Moriyama MD
Kiyoshi Morita MD
International Anesthesia Research Society vol.105 NO3 September
CASE STUDIES FROM THE MAYO CLINIC 「Intracranial Hypotension Following Motor Vehicle Accident: An Overlooked cause of post-Traumatic Head and Neck pain」
Marc A Huntoon
James
C.Watson
Departments of Anestesiology and Neurology Mayo Clicic College of
Medicine Rochester Minnesota USA
Pain Practice Volume 7 Issue 1
2007 47-52
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脳脊髄液減少症ガイドライン2007 編著 脳脊髄液減少症ガイドライン作成委員会 国際医療福祉大学熱海病院 岡山大学大学院医薬学総合研究科 自治医科大学付属大宮医療センター 仙台医療センター 九州労災病院 明舞中央病院 山梨大学大学院医学工学総合研究部 高知医療センター 山王病院 福山医療センター |
慢性疼痛第25巻第一号別冊
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2005.5 JOURNAL of NEUROSURGERY 2005 MAY(5月)Volume102 (Neurosurgical forum) P964 EIJI・MORIYAMA.M.D AYUMI NISHIDA.M.D Natinal Hospital Organaization Fukuyama Medical Center WOUTER I. SCHIEVINK M.D M.MARCEL.MAYA.M.D FRANKLEN MOSER.M.D Cedars-Siinai Medical Center Los Angeles Calfornia |
2005.6 Neuro-ophthanlmol 神経眼科 Vol22 56-60 2005 「低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症」 篠永正道 平塚共済病院 |
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2003.12.20「麻酔」2003年度12月号麻酔52巻1305-1311 「硬膜外自己血注入が著功を示したバレー・リュー症候群の2症例」 石川慎一 片山大輔 高原寛 古城 繁 守山英二 橋本秀則 この医学論文は日本麻酔科学会第50回学術集会2003 横浜において発表されています この論文のなかでもバレリュー症候群の中には低髄液圧症候群「髄液減少症」が含まれることが述べられている。 |
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2003.8新しい概念(外傷性)低髄液圧症候群の正式論文が麻酔科医学誌「ペインクリニック」 VOL24NO.8に掲載「外傷性低髄液圧症候群に対し自家血硬膜外注入を試みた3症例」 |
このたびは「低髄液圧症候群」(脳脊髄液減少症)の治療を希望していただき、誠にありがとうございます。 ・現在治療を行っている公開している病院で公開の許可を得ている病院を紹介します
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2007/4 厚生労働科学研究費が 山形大学脳外科嘉山教授が申請されました(脳神経外科学術委員長)「脳脊髄液減少症に関する治療・診断法の確立に関する研究」が採択されました。と連絡がはいりました。今後「脳脊髄液減少症の診断に関する実態の調査」「診断基準の作成」「治療法の検討」「脳脊髄液減少症になる原因の検討」がなされることになります。
研究は3年計画。内容は▽診断に関する実態調査▽診断基準の作成▽発症原因の調査▽治療法の検討--など。約15人が研究班を作る。メンバーの専門は脳神経外科、頭痛、神経内科、神経外傷、整形外科、放射線科、疫学、統計学などにまたがる。この中には、事故によるむち打ちと髄液漏れとの関連性を指摘してきた篠永正道・国際医療福祉大熱海病院教授も加わる。
嘉山教授は「髄液漏れは診断基準が定まっていないため、過剰診断や診断漏れがあると思う。しっかりした診断基準を作りたい。むち打ちで長年苦しんでいる患者たちの病態究明にもつなげたい」と話している。
2006/10/20京都国際会館 にて第65回 脳神経外科学会総会が開催されましたそこで学術シンポジウム「脳脊髄液減少症の現状と問題点解明に向けて」が開催され以下の方々の発表がありました。 暫定ですが脳脊髄液減少症研究会からガイドライン要綱が発表されました。 内容は 近日中に脳脊髄液減少症研究会から発表があると思います。
さらにシンポジウム開催後 橋本会長 嘉山学術委員長より記者会見があり1年以内に「学会間の垣根を払いガイドラインを作らなければならない」と述べ整形外科、脊髄頭痛などにかかわる学会にこれからはたらきかけると意欲をみせられました。(毎日新聞10月21日朝刊より)
Room A 学術委員会企画2 10:30-11:50
脳脊髄液減少症の現状と問題点解明に向けて
座長:嘉山 孝正( 山形大学)
山田 和雄( 名古屋市立大学)
パネリスト 病態と治療法 篠永 正道( 国際医療福祉大学附属熱海病院)
パネリスト 低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症候群)に対する当院での取り組みと問題点 西尾 実( 名古屋市立大学大学院 医学研究科 社会復 帰医学講座 神経機能回復学分野(脳神経 外科))
パネリスト 日本神経外傷学会から 島 克司( 防衛医科大学校)
パネリスト ガイドライン作成に向けて 喜多村孝幸( 日本医科大学)
コメンテーター 治療適応について 鈴木 晋介( 国立病院機構仙台医療センター)
コメンテーター 患者の立場から 中井 宏( NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会 (旧名・鞭打ち患者支援協会代表理事)
2006/4
本年度秋までに脳脊髄液減少症研究会(数人によるガイドライン作成医師委員会)により作成を検討中
○病院によって入院日数、安静期間、治療費、ブラッドパッチ療法の施工回数、場所、方法などが微妙に違います。ガイドライン作成により 統一化がはかられれば さまざまな諸問題が解決されると考えます
○国より研究費が交付されれば 更なる科学的研究が期待され新たな病態発見が期待されます。早急に研究費交付がのぞまれます。満足100%とはいえない現在の検査機器の改良 立位撮影RI&MRIなども開発される気運がたかまることを期待しています。
2005/2/10作成
2004年 協会を通し病院で治療を受けられた方は220名おられました
・ 年々治療を開始する病院が増えつづけております。 治療患者数が比較的、多くなった病院から次第に病院名公開了承というところが増えております、また大学病院の診察開始が目立ってきております、今年3月末までには 東京名古屋大阪という大都市周辺を中心に6件になろうとしてております。しかしながらこの疾患の受け入れ病院の数は絶対的に今もっても少ないのが実状です。そこで、このような状況に鑑み、当協会は活動目標のひとつといたしまして、『全国各都道府県の県庁所在地に1箇所以上の、この「脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)」を診察する医療機関ができるよう認知・普及及び拡大を行なっていく』ことを掲げております。また活動を続けております。
いま脳脊髄液減少症「低髄液圧症候群」は、推定患者数20万人ともいわれております。ぜひ当協会の趣旨に賛同いただきまして、患者さんにご満足をいただける、治療をお願いしたく切に希望する次第であります。
さて、当協会は、医療機関(医師)の要望により、医療機関受付業務代行も行っております。本来ならば、各医療機関が自前で外来受付ができることが望ましいと思います。しかし、現在、提携させていただいております医療機関におきましても病院名の公開ができるところと、できないところがあります。特に地方の病院、口コミで病院名が広がり、紹介を一時ストップせざるを得ない提携病院もございます。そこで、「当協会から貴医療機関(医師)に診察依頼者を紹介し、貴医療機関(医師)にて自前で外来受付業務が出来る体制が確立された時点で、医師名、病院名を公開していく」ことを提案させていただきます。ホームページ上では公開していませんが、当協会が発行する会報では病院名を公開しているところもございます。何より1日でも早い脳脊髄液減少症「低髄液圧症候群」の治療を始めていただけますよう、せつにお願いいたします。
※特に個人経営の病院クリニックの先生におかれましては、治療を開始にあたり、もしくは治療技術の参考に治療実績の多いドクターが所属する病院などへ治療状況の見学などの仲介などもさせていただきます。
また治療開始にあたり随時協会発行の会報誌をさしあげます。
連絡先 : staff@npo-ASWP.org
NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会(旧名・鞭打ち症患者支援協会)
和歌山事務所
東京事務所 042-325-8225 FAX同左